「こんなつらい職場から転職したい」「もっと働きやすい病院で働きたい」
そんな思いで転職したのに「こんなはずじゃなかった…」と後悔する看護師さんは少なくありません。
なぜそのようなミスマッチが起こるのか?
原因は転職の準備不足である可能性が高いです。
私は、看護師歴13年、ブラック病院から抜け出すために看護師として転職を繰り返したささみと申します。
初めての転職は分からないことばかり…。
分からないまま、転職サイトの言われるがまま転職して、失敗しました。
この記事では、私の失敗談から学んだ少しでも転職成功に近づくために必要な転職に関する心構えと成功のコツについて解説します!
失敗例から学ぶ看護師転職
情報収集・自己分析不足
看護師転職で失敗する大きな原因の一つが、情報収集の不足と自己分析の甘さです。
「とりあえず今の職場を辞めたい」「もっと条件のいい病院に行きたい」
そんなフワッとした理由だけで転職を進めてしまうと、転職後に「こんなはずじゃなかった…」というギャップに直面するリスクが高まります。
情報不足が引き起こす“転職ミスマッチ”
看護師転職では、求人票やホームページの情報だけで判断するのは危険です。
なぜなら、求人票に書かれている内容は最低限の条件に過ぎず、以下のようなリアルな情報は載ってないことが多いからです。
- 職場の人間関係
→「新人が続かない」「お局がいる」「いじめがある」などの実情は外から見えにくい - 残業時間や夜勤回数、休日数
→「月5時間」と書かれていても、実際にはサービス残業や前残業が当たり前になっていることも - 教育体制やフォロー体制
→人手不足を理由に経験者にサポートなく業務をこなすよう求めてくる 
私も求人票に書かれてある休日数を信じ、転職しましたが、実際は夜勤を始めるとその休日数になることが入職した後に分かり、夜勤が始まるまでの最初の数ヶ月は本当に疲弊しました。
教育体制に対しても、初めはサポートしてくれるスタッフがいると事前に説明を受けていましたが、人手が少ない日はサポートまで手が回らず放置されるという日もありました。
このように、情報収集が不十分だと、こうした「見えない部分」で後悔する可能性があります。
自己分析不足で起きる“転職迷子”
もうひとつ多い失敗パターンが、自分の希望条件が明確でないまま転職活動を始めることです。
例えば、「休日数が多い職場がいい」と思っていても、
- 給料は最低でもどれくらい必要なのか
 - 夜勤は月何回までOKなのか
 - どのような看護がしたいのか(急性期?慢性期?終末期?)
 
こうした優先順位が決まっていないと、膨大にある求人票を見るたびに迷ってしまい、焦って条件を妥協してしまうこともあります。
急性期の看護がしたいのか、慢性期の看護がしたいのか、など自分の中ではっきりと明確にしていないと、フラフラといろんな求人に目がいき、情報の取捨選択ができません。
自分にとって絶対に譲れない条件をピックアップし、その軸を中心に転職活動をしていく必要があります。
転職を急ぎすぎて判断を誤る
転職は長期目線で進めていくことが非常に重要です。
看護師の転職活動期間は、情報収集→応募→見学・面接→内定→現職の退職準備という流れで平均2〜3ヶ月はかかります。
日々の業務や家事をこなしながら転職活動を行なっていくことは、本当に疲れます。
その日々の疲れやストレスを抱えながら転職活動を行なっても、なかなか良い職場を見つけられず、ますます疲弊して冷静な判断ができなかったり、決断疲れで自分の希望する条件に沿わない職場を選択し、失敗してしまうことがあります。
もちろん、悩みすぎて逆に決断できないというリスクもありますが、それでも何か妥協して転職すると結果的に今いる職場より辛い環境に直面する可能性があります。
転職を急ぐ気持ちは痛いほど理解できますが、短絡的な決断は「転職失敗」へ直結します。
感情的な逃げではなく、転職は長期戦だと腰を据えて行動していくことで、失敗率を大きく下げられます。
転職サイトは便利だけど万能ではない
看護師の転職活動で、転職サイトを利用する人は多いと思います。
内部情報の提供、面接対策、条件交渉など、転職サイトを活用することで効率よく転職できるのは事実です。
しかし一方で、「転職サイト任せにした結果、転職に失敗した」という看護師さんも少なくありません。
転職サイトの仕組みを正しく理解し、メリットとデメリットを把握した上で利用することが大切です。
転職サイトを使うメリット
まず、転職サイトの代表的なメリットを整理します。
- 内部情報を得やすい
職場の雰囲気、人間関係、離職率など、求人票では分からないリアルな情報を教えてくれる。 - 条件交渉を任せられる
給与、夜勤回数、休日数など、自分では言いづらいことを代わりに交渉してくれる。 - スケジュール調整や書類添削もしてくれる
複数の病院に同時応募しても、面接日程の調整や履歴書の添削を代行してくれる。 
このように、転職サイトをうまく使えば効率的に転職を進められます。
しかしここで注意すべきなのは、転職サイトは「求職者の味方」であると同時に「病院から報酬をもらうビジネス」であるという点です。
転職サイトの落とし穴(デメリット)
転職サイトを盲信してしまうと、次のような失敗に繋がるリスクがあります。
- 担当者の質に差がある
転職サイトは担当者によってサポートの質が大きく異なります。
優秀な担当者であれば、希望に合った求人を丁寧に提案し、なおかつ、自分の中で曖昧になっている自己分析も一緒に考えてくれる方もいらっしゃいます。
一方で、ただただ数多くの求人を紹介し、希望に合わない求人を強引にすすめてくるケースもあります。 - すべてを任せきりにすると危険
転職サイトに頼りすぎると、情報収集や自己分析をおろそかにしがちです。
自分の視野が狭いまま、転職サイトが勧めてくる職場に転職すると転職後の自分の思い描いていた理想と大きくかけ離れてしまい、後悔する可能性があります。 - 担当者との相性が合わない場合がある
人間関係ですから、合う合わないは必ずあります。
ちょっとした愚痴も話しやすい人や、自分の思いや考えを丁寧に拾いあげて、一緒により良い環境で働けるよう考えてくれる担当者の方と転職活動を行いましょう。 
看護師転職で失敗しないための3つの心構え
情報収集の徹底と自分の希望を明確にする
情報収集として求人票だけでなく、実際に病院や施設を見に行くことで、現場の雰囲気やスタッフ同士の関係性などが見えます。
また、見学の際に直接教育体制はどうかや、希望休はとれるかなど具体的な質問をすることができるので情報収集に役立てます。
そして、情報収集したことを自分が分かりやすいようにまとめておくと複数見学に行った場合、比較しやすく情報も整理されるのでおすすめです。
私は、B5の用紙に①通勤時間②給与③年間休日数④勤務時間⑤平均残業時間などなど…パッと見で比較できるようまとめてました。
自己分析に関しても、難しく考える必要はなく、転職先に自分が求める希望条件を整理し、なぜ転職したいかを明確にします。
その際、自分の得意・不得意についても考えておくとより良いです。
例えば、急変とか入院とか日々目まぐるしい現場は苦手…とか、回転率が早くて忙しい現場でも患者さんが元気に退院していく姿にやりがいを感じるとか、より自分らしく働ける環境に身を置けるよう最低限の自己分析をしておくと、大失敗の転職を防げる確率が上がります。
転職は長期戦と心得る
「転職したい…!!」と思う時は、大抵今すぐこの辛い現状をどうにかしたいと考え行動したいと思っている時だと思います。
実際、私も初めて転職サイトに登録したのは、半ば勢いで今すぐにでもこの現実を変えたいと思った時でした。
問題はこの一時的な感情で転職することは、危険だということです。
あくまで転職は、情報収集・自己分析を冷静に行なって、複数の転職先を比較し、妥協せずにじっくり検討していくことが成功の鍵だと思います。
常に募集している求人は、それだけ働く人が定着しない万年人手不足のブラックな求人である可能性が高いので、短期的に転職先を決めてしまうと、そのような職場を選んでしまう可能性も高まります。
したがって、転職したけど前の職場より環境が悪くなったとか、思っていた職場と違う…とか転職後に後悔することにつながってしまいます。
逆に、誰もが働きたいと思うホワイトな職場は人が辞めないのでなかなか求人に掲載されません。
そのレアな求人と出会うためにも色々な求人を見て、自分の目を肥やし、長期的に転職活動していく必要があります。
転職サイトはあくまで“ツール”
転職サイトは、情報収集や条件交渉で非常に心強いサポートになりますが、「転職サイトが紹介する求人=最適解」ではないということを忘れてはいけません。
転職サイトに“使われる”ではなく“使いこなす”ために以下のポイントを意識しましょう。
- 複数の転職サイトに登録する
1社だけに頼ると、情報が偏ったり選択肢が狭まります。
転職サイトは2〜3社に登録して、紹介される求人や情報を比較しましょう。 - 担当者を“比較”する
複数社の担当者と話すことで、対応の質や情報量の差が見えてきます。
信頼できる担当者を選ぶことで、転職の満足度は大きく変わります。 - 担当者に希望条件を明確に伝える
自己分析でピックアップした譲れない条件を具体的に伝えます。 - 提案理由を必ず確認する
「なぜこの求人を薦めるのか?」を必ず聞きます。
他サイトでのその求人の情報も参考にすべきです。 
転職サイトはあくまで“ツール”のひとつと認識し、転職サイトからの情報と自分で調べた情報を掛け合わせて、後悔しない転職につなげていく必要があります。
まとめ
今回は、少しでも成功に近づける看護師転職について、私が経験した失敗から説明しました。
看護師転職で失敗する確率が上がる要素は、
- 情報収集の不足と自己分析の甘さ
 - 転職を急ぎすぎて判断を誤る
 - 転職サイトに言われるがまま転職活動をしてしまう
 
この3つが、あげられます。
そのことを理解した上で、失敗しないための3つの心構えが、
- 情報収集の徹底と自分の希望を明確にする
 - 転職は長期戦と心得る
 - 転職サイトはあくまで“ツール”としてうまく使用する
 
事前の準備をしっかり行うことで、大失敗の転職を防げる確率が上がります。
転職をして、転職先で新たに人間関係を構築し、その職場のルールを覚え、いち看護師として働いていくのは他でもなくあなたです。
忙しい中、大事な自分の時間を使って転職活動をしてきた自分の行動を失敗にしないためにも、事前にできる準備はしておくべきです。
自分の今後のキャリア、働き方、生き方は、色々な情報や意見を参考にしながら、最終的に自分で正解を導いていきましょう。
  
  
  
  

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